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子供の視力が危ないです

2021.09.07

今年の夏休みある変化に気づきました。当院では希望する小学生から中学生に近視進行抑制のための点眼薬(アトロピン点眼0.01%)を処方し3か月ごとに視力をチェックしています。その定期検査で今回の夏休み中に受診した子供たちの視力が3か月前と比較して低下している例が全体の半数程度確認できました。通常点眼効果もあって1年くらいは近視の大きな変化を抑制出来ていたのですが、今回たった一回のインターバルでのこの変化に少し違和感を感じました。この間子供たちは新しい学年になって一学期を過ごし、緊急事態宣言下の夏休みを過ごしていたわけです。昨年もコロナ禍ではありましたが昨年はあまりそういう実感がなかったため、可能な限り同行している親に生活環境を伺ってみるとある変化がありました。すると昨年よりも今学期はタブレットによる学習が昨年より増えていたようです。リモートの有無にかかわらずタブレットによる学習環境が昨年より充実してきた証だと思います。さらに猛暑と外出自粛で遠方を見る機会が極端に奪われ子供たちの視点は昨年以上に近方へシフトしたようです。学校医を受け持っている近隣の中学生で昨年度で40%が0.7未満の視力でしたが、この様子では今年度以降は半数が0.7未満になるのではないかという予想が出来てしまいます。これは例えば、人口の半分が矯正なしに運転免許が取得できなくなる数値です。近視の不便さは近視になってみないとなかなか理解されません。一度近視になった目は元のように裸眼では快適に見えなくなってしまいます。学校の授業や部活動で不自由を感じている子供たちが増えている現状に憂慮せざるを得ません。視力を落とした子供たちはアトロピン点眼をしていたことでしていない子供よりも変化の割合を少なく抑えられていたのも事実です。今後この辺の変化をデータとしてまとめたいと考えています。

投稿者:石神井台アイクリニック

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